成分名:ロスバスタチン
先発品:クレストール錠
後発品:ロスバスタチン錠
<作用機序>
HMG-CoA還元酵素阻害薬 (水溶性のストロングスタチン)
<予想される疾患>
高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症
<服薬指導>
【確認事項】 ・LDLコレステロール値(基準値60~119 mg/dL)
[効能説明]
「コレステロールの合成を抑え、動脈硬化などを予防する薬です。」
[服用方法説明]
「医師の指示通り。基本は夕食後。」
{もっと詳しく} コレステロールの生合成は夜間に亢進するため、スタチン系の薬剤は夕食後に服用することが基本であるが、ストロングスタチンは朝と夕の食後投与で有効性に差はないとする報告がある。
[生活習慣]
「生活習慣の改善が基本となります。食事は肉類を減らし魚や豆、野菜を中心とした食事が良いですね。運動はウォーキングや水泳などの有酸素運動を毎日30分ほど行うと効果的ですが、自身のペースで行うのが良いでしょう。大量のアルコールは、肝臓へのダメージや副作用につながるため、お酒は控えましょう」
[副作用注意]
・横紋筋融解症の確認
「手足がしびれたり、筋肉痛などの違和感はありませんか」
自覚症状:四肢の脱力感,腫脹,しびれ,痛み,赤褐色尿(ミオグロビン尿)、無尿,乏尿
検査値:高カリウム血症,高ミオグロビン血症,CPK高値
<患者さまからの質問>
Q. グレープフルーツジュースを飲んでもいいの?
A. この薬に限っては他のスタチン系の薬と代謝のされ方が違うため、大丈夫です。
{もっと詳しく} スタチン系の薬剤には脂溶性と水溶性に分かれており、 脂溶性のスタチン(シンバスタチン、アトルバスタチン)は代謝酵素CYP3A4により代謝されるため、CYP3A4を阻害するグレープフルーツジュースを飲んでしまうと、薬の効果が強く出過ぎてしまいます。一方、ロスバスタチンのような水溶性のスタチンは肝臓で代謝を受けずに、胆汁排泄されるため、CYP3A4は無関係である。
Q.スタチン系薬剤を飲んでいても効いているかが分からない。飲まなくても変わりませんか?
A. 確かにコレステロール値が高いだけでは自覚症状は起きないことが多いため、治療の実感が湧きにくいです。ですが、治療を怠り病態が進行すると、動脈硬化が起こり心臓や脳の病気が起こってしまう可能性もあるため、勝手に薬を中止しないようにしてください。
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