乳幼児服薬指導 コメント 会話

乳幼児の保護者に対して使える服薬指導をまとめました。

乳幼児服薬指導加算のコメントとしても参考にして下さい。


<共通:薬の飲ませ方、タイミング>

「お腹いっぱいのときに薬を飲ませると、吐き出す恐れがあります。食後でなく食前でも構いません。食欲がなければ食後にこだわらず、時間がきたら薬だけ飲ませて下さい。」

「寝ているお子さんを起こしてまで飲ませる必要はありません。起きたときに飲ませてあげて下さい。」

「薬を飲み込む前に水を与えると吐き出します。しっかりと飲み込んでから水を飲ませて下さい。」

「お昼に保育園などがあって飲ませられないときは、帰ってきたときに1回分。その後3時間は開けて寝る前にもう1回飲ませて下さい。」

「粉薬やシロップは主食に混ぜないでください。ミルクやご飯に混ぜると味が変わることで、食べなくなります。」

(保育園に通っている方)「昼食後の分はお子さんを保育園から引き取ったらすぐにお薬をお飲ませ下さい。また、夕食後は5時間以上あけて飲ませてあげてください(薬によるので注意)」



<保管方法>

「誤って兄弟の薬を飲み間違えないように、子供の手の届かないところに保管してください」(兄弟がいる場合に)

「薬が甘い味付けがされているためもっと飲みたがるお子さんがいます。子供の手の届かないところに保管してください。」


<飲み合わせの表>

散剤と飲食物の飲み合わせ(味) 一覧


剤形別

<粉薬・散剤>

「溶かすときに水を多く使い過ぎると2回に分ける必要が出ます。スプーン一杯程度で溶かして下さい。」

「ゼリーやアイスを使って飲ませるときは、薬をサンドする形にすると味を隠しやすくなります。」


<シロップ>

「容器をゆっくり振って中身を均一にさせて、1回量をきちんと量ってください。ただし、激しく 振ると泡立って正確に量れなくなりますので、ゆっくり混ぜてください。」

「冷やすと味がわかりにくくなり飲みやすくなります。」

「スプーンで服用しづらい時はスポイトで頬の裏に流し込んであげて下さい。」

「そのままで嫌がる時は水やジュースで薄めて服用させてあげて下さい。」


<テープ>

「お子様がテープを気になって剥がしてしまう場合は、手の届かない背中などに貼って下さい。」


<軟膏>

「しっかりと保湿していると肌荒れしづらくなります。湿疹の出ていない時も使ってあげて下さい。」

「プロペトは手のひらで少し温めて溶かしてから塗ると、均一に塗れて、お子様の肌を詰まらせずに使えます。」


<点眼薬>

「目薬をさした際に泣いてしまうようなら、寝ている間に使ってあげて下さい。」

=参照:剤形共通<点眼薬>

Q.子供が目薬を嫌がる場合は?

「目薬を怖がるようでしたら、目頭に1滴落として、まばたきをして頂ければ、液が流れていきます。また、目薬入れたときに泣いてしまうと、涙で流れていってしまうので、夜や朝など寝てるときに目頭に乗せるだけでも大丈夫ですよ。

薬液が流れていってしまって口に入ると、口から薬が吸収されてしまうこともあるので、ティッシュなどでふき取るようにしてください。」


<点耳薬>

点耳薬を使うときは2、3分間手で握りしめて体温程度まで温めてから使用してください。冷たいまま使うとめまいを起こすおそれがあります。


<座薬>

「おむつを替える要領で赤ちゃんの足をあげ、とがったほうから肛門にすばやく入れて下さい。」

「ベビーオイルなど滑るものをつけて、先のとがった方から肛門に挿入して、しばらく(5秒ほど)肛門を押さえていましょう。」

「坐薬を入れてしまった直後にでてしまった場合は、そのものを再度挿入してください。もし、半分以上溶けていたり5分以上肛門内にとどまってた場合は今回分は飛ばして下さい。 」

「挿入の刺激で排便するかもしれないので、なるべく排便後の使用がいいです。」




効能効果別


<咳き込み・アレルギー>

「強く咳き込んでいるときに薬を飲ませるとむせてしまいます。落ち着いているときに飲ませてあげて下さい。」

「アレルギー剤を使っていると、物にぶつかりやすくなり、怪我することがありますので、注意してあげて下さい。」


<解熱剤>

「カロナールは38.5度以上の熱があっても元気なときは使わなくて大丈夫です。」

「座薬を使うときは、怖がらず中指の第一関節くらい奥までしっかりと入れて下さい。」


<抗生物質>

「抗生物質は時間をかけると味が悪くなりやすいです。手早く混ぜて飲ませてあげて下さい。その際、苦くて嫌がるようでしたら砂糖を小さじ1杯程度混ぜて味付けしても構いません。」





(服薬指導の際の会話)

親は赤ちゃんの病気を自分のことよりも心配しているため、優しく声がけをしましょう。


「気をつけていても赤ちゃんや子どもは病気になります。その都度免疫を獲得し、少しずつ丈夫になっていくので、気にしすぎることはありません。病気の症状が長びかないようにお薬を上手に飲ませて、少しでも早く病気が良くなるといいですね。」

「お薬を上手に飲めたときはほめてあげましょう。ほめてもらうと子供はうれしくなり、次も嫌がらずにお薬を飲むようになることがあります。」

服薬指導.com

薬ごとの服薬指導ポイントや患者さんに質問された時の対応など服薬指導の際に役に立つ情報をまとめました! 実習生、新人薬剤師など服薬指導前に上司の薬剤師に確認する時間、添付文書・インタビューフォーム・薬剤情報提供文書を確認する時間が長い人にオススメです。 処方は同じでも、服薬指導内容は患者さんごとに異なります。 患者さんに寄り添った適切な服薬指導をサポートするツールとしてご活用ください。

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