エピペン注射液

成分名:アドレナリン注射液

先発品:エピペン注射液

後発品:なし


<作用機序分類>

アナフィラキシー補助治療剤


<予想される疾患>

蜂毒、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療(アナフィラキシーの既往のある人またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に限る)


<服薬指導>

初めて処方された方には公式サイトを案内すると良い。

【公式】エピペンサイト VIATRIS

エピペンガイドブック VIATRIS

エピペン使用情報



[効能説明]

「アナフィラキシーがあらわれたときに使用し、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤。あくまでも補助治療剤なので、エピペン注射後は直ちに医師による診療を受ける必要があります。」


[用法用量]

エピペン注射液0.15mg:体重15kg以上30kg未満の方

エピペン注射液0.3mg:体重30kg以上の方


[使用タイミング]https://www.epipen.jp/howto-epipen/timing.html

下記の症状が1つでもあらわれたら、できるだけ早期にエピペンを注射するとともに、救急車を呼びましょう。

消化器の症状

・繰り返し吐き続ける

・持続する強い(がまんできない)お腹の痛み

呼吸器の症状

・のどや胸が締め付けられる

・声がかすれる

・犬が吠えるような咳

・持続する強い咳き込み

・ゼーゼーする呼吸

・息がしにくい

全身の症状

・唇や爪が青白い

・脈を触れにくい・不規則

・意識が朦朧としている

・ぐったりしている

・尿や便を漏らす


[使用方法]

エピペンの真ん中を片手でしっかりと握り、もう片方の手で青色の安全キャップを外し、ロックを解除します。(親指をかけないように握ってください。)

エピペンを太ももの前外側に垂直になるようにし、オレンジ色のニードルカバーの先端を「カチッ」と音がするまで強く押し続けます。太ももに押し付けたまま数秒間待ちます。エピペンを太ももから抜き取ります。(緊急の場合には、衣服の上からでも注射できます)

注射後、オレンジ色のニードルカバーが伸びていれば注射は完了です。

注射後は、直ちに医師による診療を受けてください。


[保存方法]

アドレナリンは光によって分解されやすいため、専用のケースに入れて保管するように。

15~30度で冷所または直接日光が当たらないような場所に保管するように。


[アドバイス]

任意:【公式】エピペンサイト VIATRIS 「重要なお知らせ通知プログラム」に登録推奨


<エピペン注射後の安静に保つ体位>

https://www.hosp.gifu-u.ac.jp/origin/allergy/medical_personnel/links/AnManualA4.pdf



Q.なぜ太ももに注射するの?

A.エピペンを注射する太ももの前外側は、筋肉が多くまた太い血管や神経から離れているので、誤注射の可能性が低くなるからです。

「アドレナリンを大腿筋注、上腕筋注、上腕皮下注で比較した時に、大腿筋注で血漿中アドレナリン濃度が他と比べて有意に高くなったことから、大腿筋注がアドレナリン投与の好ましい投与経路である。」
Simons FE, et al. Epinephrine absorption in adults: intramuscular versus subcutaneous injection. J Allergy Clin Immunol. 2001;108(5):871-873.PMID:11692118


Q.注射した後、軽くマッサージする?

A.エピペン注射時にマッサージを推奨するエビデンスは不明だが、皮下注射や筋肉内注射では、一般的に注射後同部位を軽くマッサージします。注射した薬液が筋肉内、あるいは筋肉間の結合組織に浸透し、血管への吸収が速やかに行なわれるようにするためです。

エピペンは筋肉注射なので、エピペンを抜いた後は 20-30 秒ほど注射部位をよく揉むと効果発現は早くなると予想される。

参考:平成 24 年度学校等におけるアレルギー疾患に対する普及啓発講習会 高知会場


Q.エピペンを必要ない人に間違って打ってしまった場合,どうなりますか?

A.健康な人にエピペンを誤って打ってしまった場合には,顔面蒼白,ほてり感,心悸亢進,手の震えなどの症状が起こりますが,あくまでも一時的な現象です。安静にしていれば,15分程度で元の状態に戻ります。異変を感じたら医療機関の指示を仰ぐのも良いでしょう。

エピペン注射液の主成分のアドレナリンは通常時にも産生されているホルモンです。特に興奮・緊張により交感神経が優位な時に産生されます。

参考:やまなしアレルギーナビ

食物アレルギーQ&A 

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