【コラム】抗生剤と併用する整腸剤  Qニューキノロン系との併用について


Q. 「ニューキノロン系構成物質」+「ビオフェルミンR散」など、適応外の抗生物質との併用はどのように対応すべきか?


A. 保険請求が通らなくなる場合があるため、疑義照会を行う。

そもそも、都道府県によって返戻にならない場合もあるが、返戻の事例あり。


<疑義照会のパターン>

1. 整腸剤の変更「ビオフェルミンR」⇒「ミヤBM」「ビオスリー」への変更

「ミヤBM」「ビオスリー」に含まれる酪酸菌糖化菌は芽胞形成菌であり、抗生物質に対して耐性を持つため、薬効に期待が持てる。

2. 整腸剤の変更「ビオフェルミンR」⇒「ビオフェルミン」に変更。

効果は得られないはずだが、保険請求上は通る。

3. 抗生物質の変更

医師が症状に合わせて抗生物質を処方しているため、おすすめできない。



<結論>
耐性乳酸菌製剤と併用する上で適応を持たない抗生物質との「ミヤBM」「ビオスリー」への変更がおすすめである。



耐性乳酸菌製剤

 ・ビオフェルミンR散/錠

 ・ラックビーR散

 ・エンテロノンR散 

酪酸菌製剤

 ・ミヤBM細粒/錠

酪酸菌配合剤

 ・ビオスリー配合散/錠/OD錠



・ビオフェルミンR散/錠

成分名:耐性乳酸菌製剤

(菌種):Streptococcus faecalis 

(含量):1 g/1錠中に耐性乳酸菌6.0 mgを含有する

<併用適応内の抗生剤>

ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド 系、テトラサイクリン系、ナリジクス酸



・ラックビーR散 (※錠剤はない)

成分名:耐性乳酸菌製剤

(菌種):Bifidobacterium longum 

(含量):1 g中に耐性乳酸菌(Bifidobacteriumの生菌)10 mg

<併用適応内の抗生剤>

ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド 系、ナリジクス酸

(テトラサイクリンは適応外)


・エンテロノンR散 (※錠剤はない)

成分名:耐性乳酸菌製剤

(菌種):耐性乳酸菌(S. faecalis BIO-4R

(含量):本品 1 g中に耐性乳酸菌(S. faecalis BIO-4R)100mg(10^6~10^9個の生菌)を含有する。

<併用適応内の抗生剤>

ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ナリジクス酸



・ミヤBM細粒/錠

成分名:酪酸菌製剤 

(菌種):Clostridium butyricum (宮入菌):芽胞形成菌

(含量):1 g中に宮入菌末40 mgを含有する。1錠中に宮入菌末20mgを含有する。

<適応>

腸内菌叢の異常による諸症状の改善


・ビオスリー配合散/錠/OD錠

成分名:酪酸菌配合剤

(菌種):

ラクトミン(乳酸菌)Enterococcus faecium

酪酸菌Clostridium butyricum(宮入菌):芽胞形成菌

糖化菌Bacillus subtilis:芽胞形成菌

(含量):1 g中にラクトミン10mg 酪酸菌 50mg 糖化菌 50mgを含有する。1錠中にラクトミン 2 mg 酪酸菌 10mg 糖化菌 10mgを含有する。※ビオスリー配合散 1 gとビオスリー配合錠 2 錠及びビオスリー配合OD錠 2 錠がほぼ等しい 生菌数となるように調製している。

<適応>

腸内菌叢の異常による諸症状の改善





参考

薬局ヒヤリ・ハット事例  事例番号 000000009545

酪酸菌製剤は、フルオロキノロン(ニューキノロン)系抗菌薬服用時の腸内細菌叢の異常による諸症状の改善に使用できるか?(薬局) 福岡県薬剤師会

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