アセトアミノフェン錠(カロナール錠)

成分名:アセトアミノフェン

先発品:カロナール錠

後発品:なし


<作用機序分類>

解熱鎮痛薬

(現在考えられている機序)中枢性COX阻害に加えてカンナビノイド受容体やセロトニンを介した下行性抑制系の賦活化です。


<予想される疾患>

発熱・疼痛

○下記の疾患並びに症状の鎮痛
頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、
月経痛、分娩後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、

変形性関節症

○下記疾患の解熱・鎮痛

急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

○小児科領域における解熱・鎮痛


<服薬指導>

[効能説明]

「脳の体温調節中枢や中枢神経に作用して熱を下げたり、痛みを抑えたりする薬です。」


[服用方法]

「頓服の場合は投与間隔は4~6時間以上あけて服用するように。」

「胃腸障害はロキソニンなどのNSAIDsとは異なり胃腸障害はないので、必ずしも食後に服用する必要はない。」

「酒・アルコールは少なくとも4時間は控えるように」






Q. お酒(アルコール)との併用はダメ?何時間あければいい?

A. 服用前後の飲酒は控えるように。アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用した場合、肝不全を起こすことがあります。

個人差がありますが、ビール中びん1本(500ml)分のアルコールを分解するのに、男性ではおよそ2時間強、女性では3時間程度かかるといわれています。


<アルコールとアセトアミノフェン併用による肝障害の機序について>
アセトアミノフェンは通常は60%がグルクロン酸抱合、30%が硫酸抱合によって尿中に排泄されて消失するが、大量飲酒によって誘導されるCYP2E1によって毒性代謝物N-アセチル-P-ベンゾキノンイミン(NAPQI)になって、肝臓の蛋白質と共有結合して肝細胞壊死をきたします。アセトアミノフェンの大量服用ではグルクロン酸抱合系、硫酸抱合系が飽和するため、NAPQIが産生されますが、これは通常はグルタチオン抱合され速やかに消失するのですが、連続飲酒によってグルタチオンが枯渇するため、NAPQIが消失せずに蓄積します。
https://hirata.softsync.jp/2021/11/25_1/


<NSAIDs(ロキソプロフェンなど)との違い>

・抗炎症作用はほとんどない

・NSAIDsのような胃腸障害や腎障害の副作用はない。肝障害には注意必要

・小児の服用可能(※イブプロフェンは小児に適応をもつNSAIDs)


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